【基礎知識】ワンルームマンション投資でよく聞くインカムゲインとキャピタルゲインとは?

コラム紹介

ワンルームマンション投資について調べていると、よく目にするインカムゲインとキャピタルゲイン。2つとも投資の基本的な専門用語で、不動産投資で収入を得る方法を意味します。

この記事では、インカムゲインとキャピタルゲインの用語の意味やそれぞれのメリット・リスクを紹介しています。

収入を得る2つの方法を正しく理解し、ご自身にあったワンルームマンション投資を始めましょう。

インカムゲインとは

インカムゲインとは投資の専門用語で、資産を所有している期間中に得る収入のことです。

不動産投資においては、主に物件の保有期間に得られる毎月の家賃収入を意味します。

はじめに、インカムゲインを狙った不動産運用のメリットとリスクについて解説します。

インカムゲインを狙うメリット

インカムゲインを狙った不動産運用のメリットは、下記の2点です。

・リスクが少ない

家賃収入は株式のように変動したり、景気に左右されたりせず、毎月安定した収入が得られます。

・長期的に安定した利益を積み上げられる

ワンルームマンション投資では、入居者が住んでいる限り、確実に収益を得られます。

物件購入に金融機関のローンを利用した場合でも、毎月の収入から返済でき、余剰分は純利益として積み上げられます。

インカムゲインを狙うリスク

インカムゲインを狙った投資は、投資額(物件の購入額)を回収するまでに長い期間を要します。

毎月の家賃収入では少しずつしか積み上げられないことに加え、管理費用などの支出もあり、収入額すべてが利益になるわけではありません。

また、長い回収の期間内には、空室で収入がなくなってしまったり、大規模修繕で大きな出費が発生したりと順調に資金回収できない期間も発生するでしょう。

インカムゲインのみで、投資額を回収するには、何十年もかかってしまいます。

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは、保有している資産の売却によって得られる収入のことです。

不動産の購入額より高い金額で売却し、生まれる差額の利益を狙います。

ワンルームマンション投資において、キャピタルゲインを狙った投資のメリットとリスクについても 紹介します。

キャピタルゲインを狙うメリット

キャピタルゲインを狙った不動産投資は、大きな利益を短期間で得られることが特徴です。

長期間の積み上げが必要なインカムゲインと異なり、キャピタルゲインは売却するだけで大きな収益が手元に入ります。

例えば、1800万円で購入した物件を、2000万円で売却できれば 200万円の利益が得られます。家賃収入だけでは数年かけないと得られない額を短期間に得られる点が、キャピタルゲインを狙うメリットです。

キャピタルゲインを狙うリスク

キャピタルゲインを狙う 不動産投資のデメリットは、リスクが高いことです。成功すれば戻ってくる金額が大きいものの、失敗すれば大きな損失になります。

一般的に、 不動産価値は建物の経年劣化とともに下がっていきます。 購入時よりも高い金額で売却できるケースは極めて稀です。購入後に価値が上昇する物件を見極めるといった不動産の知見が問われます。

インカムゲインとキャピタルゲインどちらを重視すべき?

インカムゲインとキャピタルゲインのメリットとリスクについて解説しました。

どちらの収入を重視すべきかは、ご自身の投資のスタイルによります。

安定した収入が欲しい方は、 インカムゲインを狙った運用がおすすめです。

一方、 短期間に大きな利益を得たい方は、 キャピタルゲインを狙った投資が向いています。

ご自分に合ったスタイルが判断できるよう、それぞれの運用方法のポイントを把握しましょう。

インカムゲインを狙う運用のポイント

インカムゲインを狙う運用では、空室リスクに対しての備えがポイントです。

長期間かけて投資額を回収するインカムゲイン狙いの運用では、安定した収益を継続させなくてはなりません。

空室になり毎月の家賃がなくなってしまうと、インカムゲインがゼロになってしまいます。

そればかりか、新しい入居者を募集するために広告を出したり、部屋をリフォームしたりと支出もかさみます。

インカムゲインを狙うなら、入居者が途絶えない物件選びがとても重要です。

空室リスク対策は、ワンルームマンション投資自体の運用ポイントです。

そもそもワンルームマンション投資の強みは、安定した継続利益を上げやすい点にあります。

不動産投資初心者の方は、インカムゲイン狙いの運用を検討しましょう。

キャピタルゲインを狙う運用

キャピタルゲインを狙う運用のポイントは、保有期間と入念な物件選びです。

保有期間

不動産の売却で得られる利益は、「譲渡所得」として申告し納税する義務があります。

保有期間5年以下の不動産を売却する場合、その所得に対して課せられる税率が高くなります。

譲渡所得の課税率は、以下の通りです。

短期譲渡長期譲渡
売却した年の1月1日
時点での保有期間
5年未満5年以上
税率39.63%
(所得税 30.63% 住民税 9%)
20.315%
(所得税 15.315% 住民税 5%)

※参考:『長期譲渡所得の計算方法』国税庁公式HPより

短期譲渡は、長期譲渡の倍近い税金を支払わなければなりません。

キャピタルゲインを狙う運用でも、少なくとも5年以上保有してから売却するのが賢明でしょう。

入念な物件選び

時間の経過と共に価格が下降していく不動産の世界では、不動産価値が上がりそうな物件を見つけるのは容易ではありません。

不動産知識をつけ、物件相場をしっかり見極める必要があります。

都心で人気の高いエリアで駅が近いなど、入居者が途絶えにくい条件が整ったワンルームマンションがおすすめです。入居者と投資家の双方の目線で魅力的な物件は、売却にも有利です。

一方、安く買って高く売ろうとして安価な物件を購入するのはおすすめしません。

価格が安いのには理由があり、売却益が見込めないケースもあります。

ただし、上記のような条件の整った物件を購入しても、数年で価格が下がる場合もあるため注意しましょう。

ワンルームマンション投資は「堅実さ」が重要

ワンルームマンション投資で、インカムゲインとキャピタルゲインのどちらを狙うかという問いに正解はありません。

どちらかだけで成立させようとせず、堅実にどちらの収益も守る姿勢こそ大切です。

長期間保有して積み立てた利益で、保有期間で下がってしまった売却差額を埋め、トータルでプラスになれば、不動産投資は成功です。

そのためには、インカムゲインを堅実に積み立て、物件価値が下落する前に売却してキャピタルゲインを得る柔軟さがカギになります。

不安を感じたときに、相談できる不動産パートナーを見つけておくことも重要です。堅実な運用方法を提案してくれるパートナーがいれば、ワンルームマンション投資の成功に近づくでしょう。

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