「ワンルームマンション投資を始めてみたものの、空室が埋まらない、、」
「魅力的な物件なので自分で住みたくなった」、「転勤が多いのでその間は賃貸にしたい」などいろいろな事情があり、物件の取り扱いに悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
そんな時の疑問の一つ、「投資用に購入した物件は自分で住んでも大丈夫なのか」または「居住用に購入した物件を貸し出しても良いのか」という点について今回は解説していきます。
結論から言いますと、投資用に購入した物件に自分で住む事は可能です！
また、何らかの事情で居住用として購入した物件を貸し出すことも可能ではありますが、どちらも注意すべき点があり、簡単に変更できるものではありません。
物件の利用目的によって、利用できるローンや節税効果など異なる点がありますので、用途が変わる可能性がある場合は事前にしっかりと違いを認識しておきましょう。
ローンを完済後に自分が住む場合には問題はないですが、返済中に物件の使用目的が変わる場合は注意が必要です。
ローンには投資ローンと住宅ローンがあり、物件を事業用として購入する場合は投資ローンで融資の審査を受けることになります。
賃料の収入がある前提での返済などを考慮して金融機関が審査をしているわけですから、使用目的が変わる場合は契約違反になる可能性があります。
事前に居住目的で物件を使用したい旨を金融機関に相談し、許可を取るようにしましょう。
住宅ローンは自宅として物件購入をするという条件で、投資用よりも金利が低く設定されています。
投資ローンで購入したものの、自分で住むことにした場合には住宅ローンの金利に変更したいと考えてしまいますが、それは簡単なことではありません。
投資ローンと住宅ローンでは審査基準も違い、特に投資用ワンルームマンションでは審査が厳しく見られる事が多いです。また、そもそも基準となる平米数が満たないなど条件に合わない物件は受け付けてもらうことすらできません。
投資用ワンルームマンションに住むと、当然賃料からの収入は無くなりますので、ご自身の収入や預金からローンの返済を続けていくことになります。
また、それまで賃料からのキャッシュフロー（ローンの返済などを抜いて手元に残る金額）があった場合は、収入が減ってしまいます。
購入した物件に住むため、別で自分が住む家賃の支出は無くなりますが、管理費・修繕積立金などのランニングコストはかかり続けるため、総合的にみてよく検討する必要があります。
投資用にワンルームマンションを所有している場合、支出した費用に加え、建物の減価償却費を経費計上し節税することも可能です。
しかし、投資用に購入した不動産に自分が住むと、その物件は事業用ではなくなるため減価償却費を計上できないという事態が起こります。
その結果、損益通算で課税所得を減らすなどの節税ができませんので、税金の負担が増える可能性があるということも認識しておきましょう。
ご自身の住みたいタイミングにたまたま入居者がいなければ問題ないですが、賃貸中の入居者がいる場合、オーナーの都合で退去させることは非常に困難です。
「借地借家法」により借主（入居者）の権利が守られており、「自分が住みたいから」といった内容では正当事由に認められず、貸主からの解約には応じてもらうことはできません。
もし、事前に住みたいタイミングがわかっている場合には、居住期間を定める「定期借家契約」であれば期間満了で契約を終了させる事ができますので、計画的に運用することが必要です。
一旦居住用に購入したいけれど、転勤などの都合で賃貸も検討している、という場合も要注意です。
住宅ローン返済中に勝手に賃貸していることが発覚すると、契約違反となり一括返済を求められる可能性があります。
物件取得後にやむを得ない事情で賃貸する場合は、例外として住宅ローンのまま利用できる可能性がありますので金融機関に相談してみましょう。
また、住宅ローンは自宅用として使用することを条件に金利が低く設定されています。
一時的ではなく、投資用として物件の用途を変更する場合は、住宅ローンよりも金利が高い不動産投資ローンに借り換えしなければならない可能性が出てきます。
これにも事業用としての厳しい審査があり、また借り換えに手数料かかかることも考えると、気軽に用途を変更することは難しいことがわかります。
ここまででご説明してきた通り、投資用と住宅用とではローンや節税などの条件が違うため、よく考えて運用する必要があります。
「もし空室が埋まらなくても自分で住めば良いか」という安易な考えでワンルームマンション投資を始めることはおすすめしません。
また、物件選びについても投資用か自宅用かで選ぶ基準が変わります。
住宅用としても検討する場合、ご自身の好みも大きく影響してくるかと思いますが、賃貸経営するためには入居者目線で物件選びをする事が大切です。
マンション投資をうまく運用していくためには、空室リスク対策も非常に重要ですので、購入前から用途を定めて物件探しをする事が成功へのポイントです。
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