【確定申告は必要?】ワンルームマンションを売却するときの税金について

コラム紹介

ワンルームマンションを投資用に購入した方の中には、思ったように収益化できず、売却を検討している方もいるのではないでしょうか。しかし、ワンルームマンションの売却にかかる税金のルールは複雑なため、「よくわからない」という方もいるはずです。そこで今回は、ワンルームマンションを売るときに支払う税金と、売却後の確定申告について解説します。

ワンルームマンション売却にかかる税金

ワンルームマンションの売却にかかる税金には、「登録免許税」、「印紙税」、「譲渡所得に対する所得税・住民税」、「消費税」があります。しかし、税金についてはルールが複雑なため、わかりづらいのが現状です。ここでは、これらの税金のルールをわかりやすく解説します。

登録免許税

マンションを含む不動産は、国が管理する登記簿に記録しなければその所有権を主張できません。これを「登記」といいます。登録免許税とは、登記簿に記録する際の手続きにかかる税金のことです。マンション売買にかかる登録免許税は、【固定資産税評価額×2%(原則税率)】の計算式 で求められます。

登録免許税には申告や納税通知書などはなく、登記の変更を行うと同時に法務局に支払うことが必要です。ただし実際は、司法書士に登記手続きを依頼するのが一般的なので、自分の手で法務局に納税することはほぼありません。

登録免許税は、マンションの引き渡し前に「司法書士手数料」と合わせて司法書士から請求書が届きます。売主が請求書の支払いを済ませれば、司法書士が代理で手続きや支払いをする流れです。

一方、マンション売却の際に住宅ローンが残っている場合は、抵当権抹消の登録免許税も必要となります。抵当権とは、担保となっているマンションを銀行が売却できる権利です。つまり抵当権抹消とは、マンションの担保を外す手続きのことをいいます。

抵当権抹消にかかる登録免許税の求め方は、【不動産個数×1,000円】です。マンションの場合は、建物と土地が担保になっているため、抵当権抹消の登録免許税は「2(建物・土地)×1,000円」で2,000円になります。

印紙税

印紙税とは、個人や法人が作成する「課税文書」にかかる税金のことです。不動産売買における課税文書には、不動産売買契約書や土地賃貸借契約書などがあります。不動産の譲渡に関する契約書の印紙税は以下の通りです。

※なお、平成26年4月1日~令和6年3月31日までの間に作成される不動産売買契約書については、租税特別措置法により税率が引き下げられています。

契約書に記載する売買金額本則軽減税率※
1万円未満200円非課税
1万円~10万円200円200円
10万円~50万円400円200円
50万円~100万円1,000円500万円
100万円~500万円2,000円1,000円
500万円~1,000万円10,000円5,000円
1,000万円~5,000万円20,000円10,000円
1億円~5億円60,000円30,000円
1億円~5億円100,000円60,000円
5億円~10億円以下200,000円160,000円

印紙税は、規定の金額の収入印紙を購入し、契約書や領収書などに貼り付けて消印することで納税したとみなされます。同じ内容の契約書を作成しなければならない場合は、1通ごとに収入印紙が必要なので注意しましょう。

譲渡所得に対する所得税・住民税

ワンルームマンション売却税金

マンションを売却し「譲渡所得」が発生した場合は、所得税や住民税を支払う義務があります。譲渡所得とは、マンションを売却した際の利益のことです。譲渡所得は、【売却価格-取得費(購入額から減価償却費を引いた金額のこと)-売却に要した譲渡費用】で求められます。計算の結果、譲渡所得がプラスなら税金が発生し、譲渡所得がマイナスなら税金を払う必要はありません。

一方、所得税や住民税は、所有期間によって税率が異なるので注意が必要です。具体的には、所有期間が5年以上になると税率が低くなるよう設定されています。これには、転売等で収益を得る投機的取引を防止する目的があります。

所得税・住民税の税率は、以下の通りです。

所得税率住民税率
所有期間が5年以下30%9%
所有期間が5年以上15%5%

なお、所得税の納税時期は確定申告時、住民税の納税時期は翌年6月~翌々年5月(給与天引きの場合)と異なるためご注意ください。

消費税

そもそも消費税とは、物やサービスを購入した消費者が負担し、事業者が納税するものです。ここでいう事業者に「個人」は含まれないため、個人が居住するマンションを売却しても売却そのものに消費税はかかりません。

ただし、個人であっても投資用マンションを売却する場合は、建物価格に消費税が発生するので注意が必要です。また、不動産会社に支払う仲介手数料には消費税がかかります。仲介は、不動産会社が提供するサービスであり消費税の課税対象となるからです。

ワンルームマンションを売ったら確定申告が必要

ワンルームマンションを売却し利益を得た場合は、確定申告をしなければなりません。

確定申告の時期は、マンションを売却した次の年の2月16日から3月15日までです。申告をしないでいると、以下のような延滞税がかかります。

・遅延税

遅延税は、納税期間を過ぎてしまったときに課税されます。遅延税の税率は、期限超過から2カ月までは約7%、期限超過から2カ月以降は約14%です。

・無申告税

無申告税は、確定申告をしていないと課税されるペナルティです。納付すべき税額の50万円までの部分に15%、50万円以上の部分に20%がかかります。

・重加算税

重加算税は、悪質な所得隠しがあったときに課せられます。税率は35~40%です。

確定申告をせずに放置していると、これらのペナルティが課せられ重い税負担になるおそれもあります。ワンルームマンションを売却し利益を得たときは、必ず確定申告をしましょう。

ワンルームマンションの売却をお考えでしたらご相談ください

ワンルームマンションを売却したいと思っても、税金や登記など複雑なルールがあってなかなか思い切れないという方もいるでしょう。

そのようなときは、不動産売買のプロである不動産会社に相談するのがおすすめです。ワンルームマンション売却にかかる税金の納め方や確定申告の方法、売却時の極意など、マンションのことなら何でもお答えします。まずは、お問い合わせください。

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