ワンルームマンション投資の成功には耐用年数と減価償却が重要!寿命との違いも

コラム紹介

マンションの耐用年数は、ワンルームマンション投資をするうえで重要なキーワードです。耐用年数と聞くと、マンションの寿命のこと?と思われる方も多いかもしれません。しかし、耐用年数はマンションの寿命ではなく、資産価値が消失するまでの年数をいいます。そこで今回は、マンションの耐用年数と寿命の違い、マンション投資における減価償却やその計算方法、そして、マンションの耐久性を調べるポイントなどを解説します。

マンションの耐用年数とは?寿命とは違うの?

耐用年数とは、「資産を使用できる期間」のことをいいます。マンションは築年数に比例して資産価値が下がるのが一般的です。そのため国は、「このマンションの資産価値は〇年で消失する」という期間を定め、その年数をマンションの耐用年数として公表しています。つまり、「耐用年数を過ぎたマンション=資産価値のないマンション」ということです。

国税庁では、住居用の建物における耐用年数を次のように定めています。以下は、その代表例です。

木造22年
木骨モルタル造20年
鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄筋コンクリート造47年
レンガ・石・ブロック造38年
金属造(3ミリメートル以下)19年

(国税庁作成「主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)」参照)

一方、同じような言葉に「耐久年数」がありますが、耐用年数と耐久年数とでは言葉の意味が違うので注意が必要です。耐久年数は、メーカーなどが独自に定めた「資産を問題なく使用できる期間」のことをいいます。マンションの寿命という意味で使うなら、耐久年数の方がしっくりくるかもしれません。なぜならマンションは、管理体制などの状況にもよりますが、物理的には100年以上住むことも可能だからです。

そうはいっても、現実には60~70年くらいで取り壊されるマンションも少なくありません。マンションは年数が経てば経つほど、メンテナンス費用が必要です。また、1981年以前に建てられた旧耐震基準のマンションは、耐震面に不安があります。こういった背景から、耐久年数に関わらずマンションが寿命を迎えるケースも多いようです。

マンション投資は減価償却できる

減価償却とは、購入した資産の代金を分割して、毎年の経費に計上することです。減価償却は、時間の経過に比例して資産価値が減っていく物を対象としています。もちろん、不動産投資におけるマンションも対象内です。

減価償却は、マンションの購入費用分だけ利益が減るので節税対策になります。また、一度に経費として計上するのではなく分割して計上するため、償却するまでの長い期間、税額を抑えることが可能です。

マンション投資における減価償却の計算方法

減価償却の計算方法には、定額法と定率法があります。しかしマンションの場合は、1年間の減価償却費を定額にして経費計上する定額法を用いることが一般的です。定額法の計算方法は、以下の通りです。

●定額法の償却限度額=取得価額(建物にかかる費用)×定額法償却率(耐用年数によって国で定められた定額法の償却率)

※定額法償却率は、国税庁の公式サイトに記載されているので、そちらを確認ください。

たとえば、耐用年数22年(定額法償却率0.046)、5,000万円の投資用マンションを購入した場合の償却限度額は、【5,000万円×0.046=230万円】です。つまり、このケースでは22年の間は、毎年230万円ずつ減価償却することができます。

マンションの耐久性が知りたい!チェックポイントとは

投資用マンションを選ぶ際、間取りや立地、価格以外に、マンションの耐久性が気になるという方も多いのではないでしょうか。マンションの耐久性を確認するには、以下のポイントをチェックする必要があります。ここからは、マンションの耐久性を測るチェックポイントについて解説します。

維持管理・修繕の状況をチェック

管理状況がしっかりしているマンションは、耐久性に優れているマンションだといえるでしょう。マンションは管理会社等によって立てられた修繕計画に合わせて、毎月の修繕積立金を徴収するのが一般的です。その修繕積立金を使って、コンクリート保護剤を再塗装したり、共用部分の補修をしたりといった定期的な修繕を行います。このように、管理が行き届いたマンションは、耐久性も高いです。マンション選びの際は、長期修繕計画や管理体制をチェックしましょう。

マンションの構造をチェック

マンションの構造によっても、その耐久性は異なります。そうはいっても、マンションの構造を素人が見極めることは簡単ではありません。そのため、マンション構造のチェックは、第三者である建築士が住宅を調査する「ホームインスペクション」を利用し、専門家に確認してもらう方法がおすすめです。

立地や環境をチェック

マンションの耐久性は、建っている場所や環境に大きな影響を受けます。たとえば、陽が当たらない場所に建つマンションは、カビやコケが発生しやすくなりますし、海が近い土地では塩害対策が不可欠です。マンションの耐久性を知るには、立地や環境によって劣化する可能性や、状況に合わせた修繕計画がしっかり立てられているかどうかのチェックも求められます。

マンション投資において耐用年数と減価償却の理解は重要

マンション投資をするなら、マンションの耐用年数と減価償却についてしっかり理解しておく必要があります。マンションの耐用年数は、マンションの寿命ではありません。マンションの寿命、つまり耐久性を延ばすには、上記で紹介した耐久性のチェックポイントを確認することが大切です。そのうえで、耐久性の高いマンションを探すと良いでしょう。マンションの耐用年数や減価償却について、もっと詳しく知りたい方は、ぜひ専門家へご相談ください。

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