【新築ワンルーム投資の落とし穴】知っておくべきリスクと対策法

コラム紹介

ワンルームマンション投資を始めようと物件を調べていると、「新築物件はやめとけ」「初心者には向かない」などの意見もよく目にするのではないでしょうか。

見た目には理想的に見える新築物件は、投資家たちの夢を膨らませます。
しかし、その魅力の裏には注意するべき落とし穴が潜んでおり、特に投資初心者の方には成功へのハードルが高いことも事実です。

今回のコラムでは、新築ワンルームマンション投資にまつわるリスクとその対策法について、冷静な視点でご説明していきます。

魅力的な新築物件に潜むリアルなリスクに備え、成功への一歩を踏み出すためにぜひ参考にしてみてください。

初心者の方に新築ワンルームマンション投資をおすすめしない理由とは

「新築」と聞くと、設備も新しく賃貸物件としても人気が高いことから、なんとなく安心感を持たれるかと思います。

ではなぜ不動産投資を始めたばかりの方には、新築マンション購入をおすすめしないとよく言われるのでしょうか?

その理由には以下のような点が挙げられます。一つ一つ見ていきましょう。

1.購入価格が割高である

新築物件は、中古物件と比べて購入時に必要な費用が高い傾向があります。

その理由として、一つは新築マンションは賃貸としても人気があるため、想定家賃が高く設定されており、その賃料をもとにして物件価格が設定されているからです。

この後の項目でもご説明しますが、その賃料はあくまでも新築で募集をかけた場合に入居者が見つかるであろう金額であり、その金額での収益が長く続くとは限りません。

また、新築マンションには、その魅力が伝わるよう宣伝広告に費用をかけていることが多く、その分も物件価格に影響してきます。

こういった点から中古物件と比べて割高である可能性が高く、その分利回りが低くなることが多くなります。
新築物件を購入する際は、しっかりと先を見据えて計画を立てましょう。

2.家賃の下落率が高い

新築マンションは、家賃が下落しやすいという面もデメリットです。

というのも新築マンションは「部屋が綺麗で設備も新しい」という点で人気が高く、高めの家賃が設定されていても入居者が決まりやすいというメリットがあります。
しかし、必ずしもその入居者が長く住んでくれるとも限りません。

一度でも入居者が入るとその物件は新築ではなくなり、次に賃貸募集をかける際には新築時と同じ賃料ではなかなか入居者が決まらなくなります。

その場合や家賃を下げなくてはならず、思ったよりも早い段階で想定した利回りよりも収益率が悪くなってしまうという事態が発生する可能性があります。

「新築物件は人気だから空室の心配はない」といった過度な期待は持たない方が賢明でしょう。

3.収支の予測が難しい

新築は入居率のデータがなく、収支の予測やシミュレーションがしづらいのが難点です。

新築物件は、新しいというだけでも人気が高く空室リスクが低いと言われていますが、立地等によっては入居者が決まらないという恐れももちろんあります。

その場合はやはり家賃を下げてでも入居者を募集し、空室を埋めることになりますが、想定よりも利益が出なくなってしまい資金計画が大幅に変更されてしまう可能性も。

これまでのデータが無い分、ご自身の知識や経験でそのマンションの将来性を見極める必要があります。

新築マンションに投資するメリット

次に新築マンション投資のメリットについても触れてみましょう。
投資初心者の方にとっては難しい面もありますが、新築マンションの魅力ももちろんあります。
新築マンションに投資する際は、以下のようなメリットを活かして運用してみましょう。

1.維持費を抑えることができる

長く賃貸経営をしていると、必ずマンションのメンテナンスが必要になってきます。

築年数が経った中古物件の場合、購入からすぐに修繕の必要が出てくるリスクがありますが、新築物件は設備が新しく、しばらくはメンテナンスの手間や費用がかからないというのは強みです。

急な出費が少ないことで、資金計画が立てやすく安定した収益を得られます。

また、契約時に契約不適合責任(瑕疵担保責任)の期間が、新築の場合は「10年の保証」が義務付けられているため、長く設定できることもメリットです。

契約内容に沿わない物件を購入してしまった際もこの保証期間であれば、法律に沿って売主に責任をとってもらうことが可能となります。


2.売却しやすい

ある程度運用した後でも築年数が浅いと、比較的売却しやすい傾向にあります。

新築物件として購入時の物件価格が割高に設定されていることが多いため、売却価格の下落率が大きく感じられることが多いですが、立地など条件が良ければ、高めの金額でも売却できる可能性があります。

ワンルームマンション投資における成功の定義は、賃料による収益だけでなく、売却利益も含めてプラスにできることです。

出口戦略を考えるという点においては、「新築」という点だけでなく、「立地」や「交通の利便性」など売却で有利にできるような物件選びをしていきましょう。

3.資産価値が高いので融資が受けやすい

新築マンションは物件価値が高いため、銀行からのローンが受けやすい傾向があります。

一般的に中古物件より新築物件の方が人気が高く空室率が低いとみられ、利益が出やすいと判断されます。
また、新築だと耐用年数も長いため融資に良い影響を与えられます。

こういった点からフルローンで融資を受けられるケースもあり、自己資金が少なくても投資を始めることができます。



【まとめ】しっかりとシミュレーションすることが大切

もちろん新築物件が全て良くないわけではなく、これまでの注意点を考慮した上でご自身でも利回りの計算をし、問題がないと判断できる物件であれば新築ワンルームマンションはとても魅力的です。

新築マンションを販売する営業マンから聞いたメリットや利回りをそのまま鵜呑みにするのではなく、マンションの将来性やご自身の状況を見据えて判断できる知識を持つことが重要になります。

新築・中古にこだわらずとも良い物件は沢山あります。
ご自身でも見極められるよう、できるだけ多くの物件を見て学び、不動産投資を成功させられる力を身につけていきましょう。

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