ワンルームマンション投資を始める時に、購入価格の全てを投資ローンでまかなうことができる場合があります。これを「フルローン」といいます。
フルローンを借りることができれば、頭金を用意する必要がないため初期費用を抑えて不動産投資を始めることができます。
ただし、融資を受ける金額が大きくなるということは、返済の負担が重くなりやすいため、利用するかどうかは慎重に検討する必要があります。
今回のコラムでは、「フルローン」を利用することのメリットや、利用するにあたり注意すべき点について解説します。
これからワンルーム投資をはじめる方も、すでに物件をお持ちの方も、今後の参考にぜひご覧ください。
フルローンとは、物件価格の全額を金融機関からの融資でまかなうことができるローンです。
一般的に投資ローンの審査に通るためには、物件価格の1〜2割ほどの頭金を求められることが多くなります。
例えば購入を検討している投資物件が3,000万円であるとすると、2割の頭金を求められる場合で600万円の現金が必要です。
フルローンを借り入れることができれば頭金が必要ないため、少額の自己資金で不動産投資を始めることができます。
フルローンの場合、マンション購入価格は融資から全て賄いますが、購入にかかる諸経費は自分の資金から支払うことになります。
購入にかかる諸経費には次のようなものがあります。
・仲介手数料
・登記費用（登録免許税・司法書士報酬）
・保険料
・不動産取得税
・決済時に精算する費用（固定資産税・管理費等）
ちなみに、これらの諸経費も含め物件価格を超える金額を借り入れることを「オーバーローン」といいます。
フルローンよりも、さらに自己資金なく物件購入をすることができますが、その分リスクも高くなります。
フルローンを利用したときのメリットには次のようなものがあります。
・手持ちの資金を温存できる
・レバレッジ効果を高められる
・すぐに不動産投資を始めることができる
一つずつご説明します。
フルローンを利用することで、自己資金を多く残すことが可能です。
全ての資金を頭金にしてしまうと、ワンルームマンションを運用していく上で緊急の支出があった場合に、ご自身の生活を圧迫してしまいます。
また、残しておいた資金を別の投資に充てて、リスク分散することもできるでしょう。
フルローンでは自己資金をほとんど利用しないため、レバレッジ効果が最大になります。
不動産投資におけるレバレッジ効果とは、少ない資金で大きなリターン（利益）を得ることを意味します。
投資ローンを利用することで、より価値が高い物件を購入できるようになるため、初期投資の金額に対して大きな収益が期待できます。
フルローンは頭金が必要ないため、融資額が多ければ多いほどレバレッジの効果を最大限に活かすことが可能だと言えます。
ただし、増える収益以上に返済負担が重くなってしまっては意味がないので、慎重にシミュレーションした上で利用するようにしてください。
不動産投資を始めたいけれど、希望の物件を購入するだけの頭金が足りないといった場合、物件のランクを下げるか、準備ができるまで一旦諦めることになるでしょう。
資金を貯めるためには数年単位で時間がかかることもありますが、フルローンを受けることで、その分だけ早く物件を運用し、利益を積み立てていくことが可能です。
フルローンを利用するメリットをご紹介しましたが、その裏には次のようなリスクも存在するため慎重に利用する必要があります。
・月々の返済負担が大きくキャッシュフローが悪化しやすい
・審査基準が厳しくローンが組めない可能性がある
・フルローンは金利変動時の影響が大きい
・売却が難しくなる可能性がある
一つずつ詳しく見ていきましょう。
フルローンでは頭金がない分、借入金額が高額になります。
当然月々の返済額も大きくなりますので、家賃収入に対してローンの返済に充てる比率が高くなりすぎないように注意が必要です。
返済比率が高くなると、空室リスクや修繕、管理費や税金などの費用によりキャッシュフローに支障をきたす可能性が高くなります。
特に、空室リスクは不動産投資をする方にとって悩ましい問題ですが、空室期間は収益がゼロになってしまうため、それを見越した利回り計算を行なっておくことが重要です。
投資ローンを借り入れるためには、金融機関の審査に通過しなければいけません。
住宅ローンよりも基準が厳しいとされる投資ローンですが、特に借入額が多額なフルローンとなると、金融機関にとってもリスクが大きくなります。
頭金による信用を得ることができないため、申込者の収入や信用スコア、年齢などの条件が非常に厳格になる可能性があります。また、購入する物件の担保価値の重要です。
条件満たすことができない場合、フルローンを受けること自体が難しくなるでしょう。
近年では、金融機関での融資不正問題が発覚したことにより、フルローンやオーバーローンを組むことはより困難になったとも言われています。
借入額が大きいということは、それだけ利子負担も大きくなります。
将来的に金利が上昇した際に、頭金を入れた場合と比べて影響を受けやすく、収益率低下の可能性があることに注意してければいけません。
現在の日本では、世界的に見ても低い金利が続いていますが、流れが変化する可能性に備えて、常に状況を認識しておく必要があります。
フルローンで購入したワンルームマンションは売却しにくいというリスクがあります。
どのような場合かというと、売却価格がローンの残債を下回ってしまうことで、抵当権を外せないケースです。
通常、売却を行うには金融機関による抵当権の設定を外すことが必須で、そのためにはローンを完済する必要があります。
フルローンの場合は借入額が多く、売却時のローン残債が高くなりがちです。
それに合わせて売却希望価格を設定すると、相場よりも高めになってしまう可能性があるため買い手を見つけることが困難になります。
基本的にワンルームマンション投資は、自己資金を入れて行なった方が安定します。
フルローンは、資金がなくても始められることがメリットではありますが、キャッシュフローが悪化しやすくなるため、本当に自己資金がない状態で始めるのはかなりリスクがあります。
また、審査条件がかなり厳しくなるため、借入自体が難しくなることもあるでしょう。
ワンルームマンション投資では、しっかりとした情報収集と、ご自身の状況を認識しておくことが大切です。慣れないうちはリスクの高い投資よりも、自己資金を用意した上で安定した不動産投資を行うことが行うことが良いかもしれません。
ご自身で判断が難しい時は、信頼できる不動産会社や金融機関に相談することから始めてみましょう。
＜仲介手数料０円＞売主様と買主様を直接つなぐリトゥルーのサービス
みなさまのご希望を叶えられるように、親身になって売却のお手伝いをさせていただきます。
もしマンション売却でお悩みのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
?ワンルームマンション売却のご相談はこちらからどうぞ
