退去後の原状回復費の目安は?投資用ワンルームマンションでオーナーが負担する割合

コラム紹介

賃貸マンションの退去後、次の入居者がすぐに居住できる状態に物件を整えておくことを「原状回復」と言います。

主に、床・壁紙などのクリーニングや張り替え、エアコン・給湯器などの設備の補修を行います。

今回のコラムでは、ワンルームマンション投資をしている方なら気になるリスクの一つである「原状回復」の費用についてご説明します。

原状回復の種類と相場

・ハウスクリーニング

キッチン・お風呂・トイレなどの水回りの清掃や、窓やサッシ・ベランダの清掃、エアコンのクリーニングなどを主に行います。
お部屋の広さや間取りにより料金相場は変わりますが、ワンルームマンションでおよそ2〜3万円と言われています。

・壁紙の張り替え

壁紙(クロス)の耐用年数は、一般的に一般的に6〜8年と言われています。
ただし、お部屋の使い方により劣化具合が変わってきますので、次の入居者を問題なく募集するためにはきれいな状態にしておく必要があります。

張り替えを行う場合、1㎡あたり1,000円〜1,500円が相場と言われており、その他作業にかかる諸経費がプラスされます。

・床の張り替え

フローリングやカーペットに劣化が見られる場合には張り替えが必要となる場合があります。
全面張り替えまたは一部分のみとするか、また材質により費用が大きく変わりますが、フローリングの張り替えで1㎡あたり10,000〜30,000円ほど見ておくと良いでしょう。

・給湯器やエアコンなどの設備交換

年数が経過していた場合、クリーニングだけではなく設備の交換についても検討が必要です。
エアコンで10年程度、ガス給湯器で15年程度が交換の目安となります。
次の入居者の快適な暮らしを保証するためには、空室のたびにしっかりとメンテナンスをし、必要があれば早めに修理や交換を行いましょう。

費用の目安はエアコンで10万円程度、ガス給湯器で20万円〜です。
また、ユニットバスやキッチンの交換となると一度に大きな費用が必要となってきますので、事前に資金を積み立てるなど準備をしておくと安心です。


原状回復におけるオーナーと入居者の負担割合とは

退去後の原状回復費について、オーナーと入居者での負担割合はどのように決められているのでしょうか。

国土交通省住宅局では、原状回復をめぐるトラブルを未然に防ぐことを目的に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」が取りまとめられています。

このガイドラインは、費用負担のあり方について「妥当と考えられる一般的な基準」を示したものです。法的拘束力はありませんが、万が一トラブルが生じた場合には有効な判断基準となります。

このガイドラインには、入居者への原状回復義務について次のように記載されています。

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」
参考:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)|国土交通省住宅局

つまり、わざと、もしくは不注意で壊したり、掃除を怠ったことによる汚れや損傷については借主側に過失があったとみなされます。
引越しの際に家具をぶつけて出来た傷や、紛失による鍵の交換、タバコのヤニ汚れなどがこれにあたり、修繕費用を入居者に請求することができます。

そうではない経年劣化(建物の自然的な劣化や損傷)、または居住する中で自然に発生する通常損耗については基本的にオーナー側が負担することになります。


トラブルを回避するためにできること

賃貸経営をする中で、トラブルが起こりやすいのがこの原状回復の負担に関する事案です。
トラブルが起きるとそのやり取りや判断には大きな労力が伴います。
スムーズな賃貸経営を行うためにも、事前に対策できるポイントについて確認しておきましょう。

1.入居時の部屋の状態を記録しておく

入居者の立場になった際にも重要なことですが、入居時に部屋の状態について細かく記録しておくことが大切です。

退去時になって、元からあった傷や汚れか否かの水掛け論になってしまうと、判断が難しくなります。

特に、クロスの張り替えや設備交換をせずにクリーニングのみで原状回復した箇所については、前の入居者の傷や汚れが残っていないかしっかりチェックしましょう。

2.双方で契約内容やガイドラインのルールを確認しておく

トラブルを回避するためには、賃貸借契約を結ぶ際に双方が契約内容とガイドラインについて理解をしておく必要があります。

3.信頼できる管理会社に仲介してもらう

賃貸経営をしていると、入居中に起こる設備の故障や、退去時の原状回復費にまつわるクレームなどさまざまな問い合わせが入ることがあります。

個人で全て対応するには時間と労力がかかるため、マンション投資をされている方は管理会社に賃貸管理を委託している方がほとんどです。

退去時の立会や、原状回復に関わる業者選びも管理会社から手配してもらう場合もありますので、信頼できる管理会社に委託しましょう。

賃貸経営に関わるノウハウが豊富にあり、双方の間に立ってうまく判断をしてくれる管理会社であれば、安心して対応を任せることができます。


必要な費用について予め認識しておきましょう

ワンルームマンション投資をしている方にとって避けては通れない出費である「原状回復費」。
ガイドラインにより、入居者の過失などによる損傷以外のほとんどが、オーナー負担の費用となりますので、収益の中から計画的に積み立てておくことが大切です。

ワンルームマンション投資をうまく運用していくには知識を身につけることが常に必要です。
余分な負担をすることにならないためにも、ガイドラインについて理解を深め、正しい情報を身につけておきましょう。

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