【借地借家法のポイント解説】マンション投資家が知っておくべき法律の基礎

コラム紹介

今回はマンション投資において大切な法律の一つ、「借地借家法」に焦点を当ててお話ししようと思います。

この法律は、不動産を所有したり借りたりする上で基本的なルールを定めています。

ワンルームマンション投資をする上で知っておくと、安心して賃貸経営を始められますので詳しく見ていきましょう。

■借地借家法って何?

借地借家法(しゃくちしゃっかほう)とは、「土地」と「建物(住居)」の貸し借りにおいて重要なルールを定める法律です。

土地や建物の貸し借りが行われる場合、一般的には借りる側(賃借人)の立場が弱くなりますが、この法律は特に賃借人を守るために定められた内容となっています。

つまりオーナーにとっては不利な法律といえます。

オーナー(賃貸人)と入居者(賃借人)の間で結ばれる「賃貸借契約」は、この借地借家法をもとに作成された契約となります。

ワンルームマンション投資で賃貸経営を行う際には必ず取り交わされる契約ですので、借地借家法に関する注意点もしっかり理解しておきましょう。


■オーナーにとって借地借家法の注意すべき点とは


ワンルームマンション投資をするときに、注意が必要なポイントを見ていきましょう。

1.家賃滞納者を強制退去させるのが難しい

まず一つ目に懸念される点は、家賃を滞納する入居者に対して強制退去をさせることが難しくなるという事が挙げられます。

家賃を支払わないということは賃貸借契約違反になりますが。
しかし、入居者が支払いや退去に応じないからといって強引な方法をとってしまうと「権力行使の範囲を超えている」と判断され、オーナーや管理会社側が訴えられてしまった結果、賃借人に慰謝料を払うことになったという事例も発生しています。

こういった点から、借地借家法が賃貸人保護の観点が強いということが伺えます。

条件を厳しくし過ぎると空室が埋まらないリスクもありますが、トラブルを避けるためにも入居者選びには慎重になる必要があります。

また、家賃滞納の対応について専門的に取り扱っている家賃保証会社を利用することもおすすめです。

保証会社では滞納家賃を立て替えて支払ってもらえる他に、強制退去や裁判についてもサポートしてくれるところが多くなっています。

色々なプロの力も利用ながら、リスクの少ない賃貸経営を目指しましょう。


2.契約期間は最低でも一年以上

借地借家法第29条に「期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす」という記載があります。

このことから、賃貸借契約を交わす際は、契約期間を最低でも1年以上に設定しなければなりません。

さらに、賃貸契約は自動的に更新されることを定めており、オーナー側からの解約や更新の拒絶は正当事由(賃貸中の建物を自ら使用しなければならない事情)がない限りできないことになっています。


3.家賃を一方的に値上げすることはできない

オーナーと入居者の間では、借地借家法第32条「借賃増減請求権」が定められており、以下のような内容となっています。

・家賃の増減はオーナーと賃借人との話し合いで決める
・合意しない場合は、それを正当とする裁判となる
・裁判が確定するまでは、「以前の額」の賃料の支払いとなる

このことから、一度契約で決めてしまった賃料は、入居者が納得するような正当な理由がないと一方的に値上げすることはできないということになります。

もし物件の売却を考えたときに、その時点の賃料が相場よりも低かった場合、希望の価格での売却が難しくなることもあります。

空室を早く埋めたいという気持ちもありますが、賃料を設定する際は後々のことも考
慮して慎重に決定することをおすすめします。

オーナー側を守るために信頼できる管理会社に依頼しましょう

ここまでを見ていくと、入居者を保護する目的が強く感じられ不安になる方もおられるかもしれません。

ワンルームマンション投資で賃貸経営をされる方のほとんどが賃貸管理会社に依頼されるかと思います。
ご自身を守るためにも、信頼できる、実績のある管理会社を選びましょう。

万が一トラブルが発生した場合も、経験やノウハウが豊富な管理会社ならしっかりとしたサポートを得られるでしょう。

契約内容や入居中のトラブルのみでなく、空室リスクの面でも管理会社選びは重要となってきます。

管理会社選びについては次のコラムも参考にしてみてください。
↓↓




まとめ

ワンルームマンション投資をされる方には、とても関わりのある法律である「借地借家法」。
今回はオーナーにとって重要な部分をご説明しました。

賃借人(借りる人)を守る目的が主となっておりますが、もちろん双方にとって利益となるように考慮されている法律です。
ご自身でも内容を把握することで有利に賃貸経営を行うことができますので、ぜひポイントを押さえて理解しておきましょう。




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