投資用マンションをはじめとした不動産投資は、物件購入のための必要資金が高額なため、金融機関からローンを組んで始める方がほとんどです。
ワンルームマンション投資は比較的始めやすい投資ではありますが、その後にマイホーム購入などの可能性がある方は注意が必要な場合があります。
理由は、金融機関が貸してくれる金額には、ローンの種類や借りる人の状況により融資限度額が決まっているからです。
「不動産投資とマイホーム購入はどちらを先にするべきか」
「住宅ローンの審査が降りなくて困っている」とお悩みの方、
今回のコラムでは、その内容や対処法ついて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
結論から言いますと、ワンルームマンション投資をしている方でも住宅ローンで自宅購入することは可能です。
ただし、ワンルームマンション投資は、特に初心者にとって手軽な投資の選択肢ですが、住宅ローンを組む際に予想外の壁に直面する可能性があります。
不動産投資のローンは、収益を生み出す物件の購入に使われる一方、住宅ローンは自分が住むための家を購入するためのローンです。この2つを同時に進める場合、金融機関が融資を行う際の基準や限度額に影響を与えることがあります。
まず一つ目に「総返済比率が上がるため」という理由があげられます。
総返済比率とは、年収に対してどれだけの額をローン返済に充てているかを示す指標です。
不動産投資のローン返済がある場合、この返済額が総返済比率に加算されるため、住宅ローンの審査が厳しくなります。
住宅ローンを組む際、金融機関は申請者の年収や他の負債をもとに、どれだけの額を融資できるかを判断します。これを「与信枠」と呼びます。
一般的には年収の5倍から7倍の範囲で与信枠が設定されますが、これはあくまで目安であり、金融機関や個々の状況によって異なります。
例えば、年収500万円の人は、2,500万円〜3,500万円程度の住宅ローンを組むことができるとされます。しかし、すでに不動産投資のためにローンを組んでいる場合、その残債が返済比率に含まれるため、与信枠が狭まり、住宅ローンの審査が通りにくくなる可能性があるのです。
次の例を見てみましょう。
金融機関が住宅ローンの審査を行う際には、他のローン、特に他社で借りているローンも考慮されます。
たとえば、投資用に2,500万円の新築マンションを購入し、そのローンがまだほとんど残っている段階で、マイホームを購入したいと考え住宅ローンの審査を申請するとします。
投資用ローンの返済額は総返済比率に含まれるため、住宅ローンの与信枠から差し引かれます。
結果として、住宅ローンのための与信枠がほぼ使い切られてしまい、残っていてもせいぜい1,000万円程度の借入れしかできない可能性があります。そのため、希望する額の融資を受けられなくなるのです。
これが、「住宅ローンが組めなくなる」と言われている理由のひとつです。
以前は「フラット35」の場合、投資用物件の収益があって確定申告をしていれば、投資ローンを返済比率に含めなくても問題ありませんでしたが、現在ではこの制度は廃止されています。
他にはどういった点が懸念されるのでしょうか?主な理由は以下の通りです。
不動産投資による収益があるとはいえ、投資にはリスクが伴います。空室や家賃未払いなどのリスクが存在するため、金融機関はそのリスクを考慮し、住宅ローンの審査に慎重になることがあります。
特に新築の投資物件の場合、購入後の価格下落が早いことがあります。そのため、物件を売却してローンを返済しようとしても、売却価格がローン残高を下回ることがあり、結果的に借入額が減らせない状況に陥ることがあります。
不動産投資を始めた後、住宅購入のために希望する金額でのローン審査が通りにくくなってしまった場合、考えられる対処法は以下となります。
・年収を上げて与信枠を広げる
・ローンの残債を減らす
・複数の金融機関に相談してみる
・住宅購入を一旦保留する
それぞれの対処法についてどのようにすべきか考えてみましょう。
投資ローンにより与信枠が圧迫されており、住宅購入できるほどのローンが組めなくなってしまった場合、最も直接的な対策は、年収を上げることです。
年収が増えれば、その分与信枠が広がり、住宅ローンの審査も有利になります。
ですが自営業や経営者でない限りなかなか簡単にコントロールできるものではありません。転職やキャリアアップなど、時間をかけた計画が必要です。
転職し、年収が上がった場合にも「前年の年収」を対象に融資枠の審査が行われるため、今すぐに住宅ローンを組むのは難しいでしょう。
次に、「ローンの残債を減らす」方法について詳しく見てみましょう。
投資物件のローン残債を減らすには、繰上げ返済をするか、物件を売却してその資金で返済する方法があります。
繰上げ返済を行う場合、ある程度のまとまった資金が必要です。もしその資金が用意できるなら、それを住宅購入の頭金にすることも一つの選択肢です。
現実的には、物件を売却してローンを返済する方法が考えられますが、必ずしも売却でローン残債をすべて返済できるわけではありません。
特に新築マンションの場合、購入後に価格が大幅に下がることが多いため、短期間で売却するとローンの残高を上回る金額で売れるとは限らないからです。
最近の市場動向によると、新築物件は購入から5年程度で市場価値が10~20%下がることが一般的です。そのため、売却価格がローン残高を上回らないケースが多いとされています。
加えて、物件の立地や周辺の需給バランスにも影響されるため、慎重な判断が必要です。
また、繰上げ返済には2つの方法があります。一つは「期間短縮型」で、返済期間を短くして総利息の負担を減らす方法です。もう一つは「返済額軽減型」で、毎月の返済額を減らし家計の負担を軽減する方法です。どちらを選ぶかは、将来の資金計画や収入状況に応じて決めることが大切です。
どちらの方法を選ぶにしても、不動産市場の動向や自身の資産状況を見極めながら、慎重に行動することが求められます。
売却を検討する際は、その地域に強い不動産会社に相談するなど、プロの力を借りることも大切です。
住宅ローンを融資してくれる金融機関は無数に存在します。
どこの銀行も同じ審査基準を設けているわけではなく、それぞれ審査方法が異なるため、とにかくたくさんの金融機関に相談してみることで融資を受けられる銀行が見つかるかもしれません。
どうしても住宅ローンの審査に通らない場合、住宅購入を一時的に保留し、状況が改善するのを待つのも一つの手です。
不動産投資を続けつつ、賃貸収入や他の資産状況を改善していくことで、将来的には住宅ローンの審査が有利になることもあります。
お持ちの不動産を良い条件で運用、または売却できるように常に情報を集めておきましょう。
「投資ローン」と「住宅ローン」のどちらを先に始めるべきかについては、個々の状況によって異なるというのが結論です。
一般的に、投資ローンの審査は住宅ローンよりも厳しいとされています。そのため、先に住宅ローンを組むと与信枠が減ってしまい、後から投資ローンを組むことが難しくなるケースがあります。こうした理由から、住宅ローンを組む前に投資ローンを利用する方が有利だという考え方も存在します。
しかし、与信枠には限りがあり、年収や職業、信用状況などの個人の属性によって大きく影響されます。まずは、自分の与信枠を正確に把握し、その範囲内で無理のない資金計画を立てることが重要です。
さらに、確定申告で不動産投資が黒字を出している場合、その所得が年収にプラスされるため、住宅ローンの審査が有利になることがあります。ただし、賃貸経営には修繕費や管理費など、様々な経費がかかるため、計画通りに利益を増やすことが難しいことも念頭に置いておく必要があります。
将来マイホームの購入を考えている場合は、無理のない範囲で投資物件を選び、将来の生活に支障がないような賃貸経営を目指すことが大切です。特に、地域の不動産市場や経済動向についての知識を深め、リスク管理をしっかり行うことが成功への鍵となります。
また、最近では金融機関によってローン審査基準が異なるため、複数の金融機関に相談してみることも効果的です。住宅ローンや投資ローンの条件は常に変わる可能性があるため、最新の情報をもとに判断されることをおすすめします。
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