ワンルームマンションを購入すると、投資ローンの返済のほかに月々かかる諸費用があり、その中のひとつに「修繕積立金」があります。
ワンルームマンション投資を始めるなら、実質的な利回りを計算するためにこういった諸費用がいったいいくらになるのかを把握しておくことが非常に大切です。
ワンルームマンションも年数が経てばさまざまな修繕が必要となります。
そのためにマンションを建設した際には長期修繕計画が立てられており、それに基づいて修繕積立金がいくらになるのかが設定されています。
修繕積立金とは、分譲マンションなどの共用住宅において、大規模な修繕が必要になった時のためにみんなで費用を積み立てておく貯金のようなものです。
マンションの専有部については各お部屋の所有者が修繕をおこない維持していきますが、建物全体の共用部については所有者全体で費用負担をしていく必要があるため、このようなシステムになっています。
そしてこの積み立てた資金は、定期的に行われるマンションの壁や屋根、給水管や排水管、共用部の修繕など多岐に渡り使用されます。
大規模なものになると一回の工事で数百万から数千万かかるものもあるため、10年20年先のスパンを見据え、マンションを維持するためのとても大切な資金となります。
もう一つ、修繕積立金とともに毎月かかる費用として「管理費」があります。
これは、マンションの住環境の快適さや安全性を維持していくために必要な費用です。
共用部の清掃や水道光熱費、設備のメンテナンス、また管理組合の活動資金などに充てられています。
管理費は、日々必要となる費用であることに対し、修繕積立金は将来のために備える資金という違いがあります。
ワンルームマンションを購入する際、修繕積立金がいくらになるのか、また値上がりの可能性があるのかfは非常に気になるポイントですよね。
その積立金の金額は、一般的には国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」に基づいて作成された「長期修繕計画」を軸に決定されています。
長期修繕計画とは、マンションは建設された際に、将来必要になる定期的な点検や修繕を想定し立てられた計画です。マンションの寿命を延長したり、快適な住環境のために行われる大規模修繕などの予定が設定されています。
そして、もうひとつ重要なポイントである積立金の計算方法には2種類あります。
まず一つ目が「均等積立方式」です。
均等積立方式は、計画期間中の積立金の金額が一定になるように設定されています。
そのほかに「段階増額積立方式」という計算方法があり、マンションによってはこちらを採用しているところもあります。
段階積立方式の特徴は、築年数とともに積立金が上がるという点です。所有期間が長くなるほど毎月の負担が増えていきます。
新築の頃は修繕の必要もあまりなく、大規模修繕が行われる前にマンションを手放したとしても積立金が返ってくるわけではないため、そういった場合はこの段階積立方式の方が負担が軽くなるという利点があります。
ワンルームマンションの修繕積立金の値上げには、決まったタイミングや明確なルールはありません。
そのマンションごとに事情が異なり、それぞれのルールがあるため確認する必要があります。
まず値上げが行われる理由の一つとして、先程ご説明した「段階増額積立方式」を採用しているマンションであったというケース。
この計算方法であれば、一定期間ごとに必ず積立金の増額が行われることになります。
マンションを購入する際には、修繕積立金の計算方法について必ずチェックしておくようにしましょう。
それ以外にも、積立額の見直しが行われるケースには次のようなものがあります。
長期修繕計画を立てた上で設定された修繕積立金ですが、築年数が経ち、想定よりも早く劣化した箇所や不具合が発生した場合、予算の見直しが必要となる可能性があります。
災害など事前に予測できるものではないことに加え、材料費や工事費の高騰までは見込まれていないことがほとんどであるため、均等積立方式であったとしても値上がり備えておいた方が無難です。
また、毎月の修繕積立金自体が値上げされなくても、予定にない修繕が必要になった場合などに一時金を請求されるパターンもあります。
マンションを販売する際にすでに決まっている修繕積立金ですが、修繕計画に必要な資金の計算が甘い場合、将来的に予算が大幅に足りなくなり値上げが行われる可能性があります。
部屋の所有者では管理組合の活動を行なっていくのが難しく、マンションの運営を建物管理会社に委託しているところが多くなっています。
ですが、管理会社に任せきりにしていると、かかる費用の精査が甘く修繕費を無駄使いしてしまっている可能性があります。
修繕費を支払うのは所有者であるので、その分金額の負担が多くなってしまうケースが考えられます。
修繕積立金の存在は毎月負担に思えますが、低ければ低いほど良いというわけではありません。
きちんと修繕の計画が立てられていればよいですが、いざという時に積立金が少なすぎると適切に修繕工事が行えなくなってしまいます。
また、マンションによっては、あえて修繕積立金を低く設定することで利回りを良くし販売を行なっているケースもあります。
結局後々になって積立金が値上げされ、想定していた収益は得られなくなり運用が厳しくなる可能性も考えられます。
ランニングコストが抑えられると、その分収益が得られる物件となるため一見魅力的に思えますが、安すぎる修繕積立金には要注意です。
もしワンルームマンションの売却を考えているのであれば、大規模修繕が行われる前がおすすめです。
大規模修繕が行われると積立額が急激に減ってしまうため、修繕積立金が増額されることが想定されます。
大規模修繕の後であればきれいになった建物を見て購入してもらえるという点はメリットではありますが、値上げが決まってしまうと成約に影響が出てしまう可能性があるのです。買い手側にとってもランニングコストの増加は懸念材料となるため状況をしっかりと見極めましょう。
今回は修繕積立金についてご説明しました。
毎月の負担となる積立金ですが、マンションを安全に美しく維持していくためにとても大切な資金です。
適切に計画され、修繕が行われているのかをご自身でも把握した上で向き合っていきましょう。
ワンルームマンションの売却をお考えの際は、できるだけ高く売却できるようお手伝いさせていただきます。
ぜひお気軽にリトゥルーへご相談くださいね。
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