ワンルームマンション投資の儲かる利回りって何%?相場や計算方法を解説

コラム紹介

ワンルームマンション投資をする方、または検討している方にとって「利回り」は、よく聞く言葉の1つかもしれません。利回りとは、投資物件を選ぶ際の大事な指標となる数値のことです。しかし、ひと口に利回りといっても、利回りには表面利回りと実質利回りがあることをご存じでしょうか。そこで今回は、ワンルームマンション投資の平均利回りや、儲けが出る利回り、表面利回りと実質利回りの違いや計算方法について解説します。

ワンルームマンション投資の平均利回り

利回りとは、利益を費用で割って算出する投資物件の収益のことです。不動産投資では、この利回りが物件選びの指標となります。そのため、利回りが掲載されている不動産サイトの物件情報も少なくありません。

ただし、物件情報に掲載されているのは、年間家賃収入を物件購入価格で割って算出した「表面利回り」です。表面利回りには、固定資産税や修繕費といった経費が一切含まれていないため、収益予想の精度は下がります。

より具体的な利回りを算出するなら、初期コストやラーニングコストなどを踏まえた「実質利回り」を見ることが重要です。気になる表面利回りと実質利回りの算出方法については、後ほど詳しく解説します。

新築マンションと中古マンションの利回りを比較

ワンルームマンション投資の場合、新築マンションと中古マンションでは、それぞれ平均利回りが異なります。まず、新築マンションの平均利回りは、3%後半~4%前後が相場です。新築マンションは購入価格が高いため、利回りは低くなりますが、空室リスクや修繕費用が低いメリットがあります。

一方、中古マンションの平均利回りは、築年数によって異なるので注意が必要です。築20年くらいまでの中古マンションの平均利回りは、4~5%半ばになります。築20~35年くらいの中古マンションの平均利回りは、7~10%です。中古マンションは築年数が上がるほど購入価格が下がるため、平均利回りは高くなります。

新築マンション3%後半〜4%前後
築20年くらいまでの中古マンション4〜5%半ば
築20〜35年の中古マンション7〜10%

ただし、築年数に比例して修繕費や管理費、空室リスクは高くなるので、利回りだけを見て物件の比較をすることは難しいかもしれません。そのため、平均利回りは目安として覚えておくとよいでしょう。

儲かる利回り、儲からない利回り

ワンルームマンション投資をする際、一体どのくらいの利回りなら利益が出るのでしょうか。その答えは、築20年までのマンションであれば5%、築20~35年のマンションであれば7~8%が利益の出る利回りの最低ラインです。この数字を下回るようなら、物件の所有を考え直す必要があるかもしれません。

ただし、平均利回りだけで判断すると、優良物件を見逃す恐れもあります。なぜなら、平均利回りが高いから絶対に儲かる、または、平均利回りが低いから必ず損をするとは限らないからです。立地条件が良かったり、上層階や角部屋であったりと付加価値のあるマンションは人気が高いため、物件選びは利回りだけにとらわれず、総合的に判断することをおすすめします。

実際に利回りを計算してみよう

先述した通り、利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りは単純に年間家賃収入を物件購入価格で割った数値のことです。そのため、初期コストやラーニングコストなどを含めた実質利回りに比べると収益予想の精度が落ちます。もし、投資用物件の購入を検討しているなら、実質利回りの算出が重要です。

では、表面利回りと実質利回りの数値に、どのくらい差が生じるのでしょうか。ここからは、「年間300万円の家賃収入が見込める3,000万円のマンション」を例に、表面利回りと実質利回り、それぞれの計算方法を解説します。

表面利回りの算出方法

まず、表面利回りの算出方法は、以下の通りです。

【年間の家賃収入÷物件の購入価格×100】

年間300万円の家賃収入が見込めるマンションを3,000万円で購入した場合の計算式は、【300万円÷3,000万円×100=10】です。つまり、このマンションの表面利回りは10%ということになります。利回り10%と聞くと、かなり儲かる印象があるでしょう。しかし、本当にそうでしょうか。

実質利回りの算出方法

実質利回りの算出方法は、以下の通り、初期コストやラーニングコストを含めて算出します。

【(年間の家賃収入-年間のラーニングコスト)÷(物件の購入価格+初期コスト)×100】

表面利回りと同様、年間300万円の家賃収入が見込めるマンションを例に計算してみましょう。不動産仲介手数料や金融機関への融資手数料、地震保険料、火災保険料といった購入時の諸経費を120万円、それから、固定資産税や修繕積立金、修繕費用など年間のラーニングコストを100万円と仮定すると、【(300万円-100万円÷(3,000万円+120万円)×100=6.4】の計算式が成り立ちます。このマンションの実質利回りは6.4%なので、表面利回りと実質利回りとでは、実に3.6%もの差が生じることになります。

以上のことから、物件の収益を表面利回りだけで判断すると、実際の利益とは違う結果となる可能性が否定できません。そのため、ワンルームマンション投資をする際は、経費を踏まえた実質利回りに注目することが大切です。

利回りのシミュレーションを行うことが大切

利回りは、投資物件を比較検討するための重要な指標となります。ただし、利回りには表面利回りと実質利回りがあるので注意が必要です。ワンルームマンション投資をする際は、両者の違いを理解したうえで、自分自身で計算することをおすすめします。

より具体的な収益予想を算出するなら、物件情報に掲載されている表面利回りではなく、コストを踏まえた実質利回りを重視することが大切です。利回りを含むワンルームマンション投資についての疑問点があるときは、専門家に相談しましょう。

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