ワンルームマンション投資の長期保有と短期保有どちらが正解?

コラム紹介

投資用ワンルームマンションを購入して不動産投資を始めようと検討していると、物件をいつまで保有するべきかわからないと感じている方もいるでしょう。

不動産投資には、長期保有と短期保有という2つの戦略があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
この記事では、どちらの戦略がご自身に向いているのかを見極めるために、長期保有と短期保有の特徴や注意点を詳しく解説します。投資の方向性に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。




長期保有するメリットとは

まず、投資用ワンルームマンションを長期間保有することのメリットを見ていきましょう。

メリット1:インカムゲインの積み上げができる

投資用のワンルームマンションを長期保有するメリットは、インカムゲインを積み上げられることです。

インカムゲインとは、資産を保有して得られる利益のことで、不動産投資においては毎月の家賃収入を意味します。
ワンルームマンション投資では、「インカムゲインを確実に得られる入居者の途切れない物件」にこそ価値があると言われています。

その理由は、一般的に、建物の不動産価値は完成時をピークに経年劣化とともに下がっていき、売却時には購入時よりも低い金額が見込まれるためです。

特にローンを組んで物件を購入するケースでは、家賃収入の大半がローン返済や管理費に充てられ、短期間では大きな利益は見込めません。そのため、小さな利益をコツコツと積み上げる長期保有が適していると言えるでしょう。


メリット2:譲渡所得の税率が低い

長期保有のもう一つのメリットは、譲渡所得の税率が低くなる点です。
「譲渡所得」とは、保有している不動産を売却した際、購入時よりも価格が高くなり、利益が出た場合の所得のことを言います。

この譲渡所得の税率は、5年以上の長期保有の場合に税率が半減します。
売却した不動産の保有期間によって、その所得に対する課税割合が異なり、長期保有物件の方が少額の納税で済むということです。
不動産では、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を越えているかどうかが、税額の分かれ目となります。

[長期譲渡所得(5年越)の税額]
税額=課税長期譲渡所得金額×15%(住民税5%)

[短期譲渡所得(5年以下)の税額]
税額=課税短期譲渡所得金額×30%(住民税9%)

つまり、5年以下の短期保有で購入金額より物件価値が上がり売却できたとしても、30%の所得税と9%の住民税を申告、納税する義務があります。

一方、5年越える長期の保有期間で同じように利益があった場合は、所得税15%、住民税5%と、ほぼ半額の税額で済みます。

計算例などは、国税庁のサイトでも紹介されていますので参考してください。

参考:国税庁公式『長期譲渡所得の税額の計算』


メリット3:ローン完済後に高い利回りで運用できる

ワンルームマンション投資で最も利益を出せるのは、金融機関へのローンを完済し純資産になった後です。
管理費や修繕積立金などの経費はかかるものの、家賃収入の大半が利益になります。入居者がいる限り、毎月の家賃収入を継続して得られるので、売却せずに老後の不労所得として運用を続ける方もいらっしゃいます。

長期に渡って利益を得るためには、数十年後も入居者が途切れないような物件選びが重要です。


長期保有する際の注意点

長期保有戦略の注意点は、戦略にこだわりすぎないことです。なぜなら、期間が長い分、多くのリスクに遭遇する可能性があるからです。

空室や家賃の値下げ、建物の経年劣化に伴い想定以上の修繕費が発生し、キャッシュフローが崩れてしまうケースがあります。収支のバランスが崩れ、利益が出ないと判断した場合は、持ち続けることにこだわらず、早期の売却が賢明です。



短期保有するメリットとは

続いて、短期保有の戦略についても見てみましょう。

なお、ここでの短期保有とは、長期保有にこだわらず、良い値を維持できる「適切なタイミングで売却していく戦略」と考えます。

運用中の利益(インカムゲイン)を重要視する長期保有に対し、売却利益(キャピタルゲイン)を残すことに主眼を置く戦略が短期保有です。

メリット1:短期間で大きな収益になる可能性がある

ワンルームマンション投資における短期保有は、購入時から物件価値が変わらないうちに売却することが戦略です。

保有期間に積み上げたインカムゲインに、売却時の利益=キャピタルゲインを加えた合計利益で投資の成功を狙います。
キャピタルゲインとは、投資用語で、保有資産を購入時よりも高い値で売却して得られる売買差益のことです。

不動産の場合は、一般的に築年数の経過とともに建物の価値が下降していくため、売却価格の下がり幅をいかに少なくするかがカギになります。

例えば、家賃6万円が相場のエリアで中古マンションを10年保有し、購入時からマイナス100万円で物件売却ができたとします。

この場合、保有期間の家賃の総額が100万円を超えていれば投資成功です。
ずっと入居者がいたと仮定すると、10年間の家賃収入の合計は720万円になります。途中で退去や修繕の出費があったとしても、10年間で数百万円の大きな利益を得られます。

メリット2:リスクの不安を持ち越さずに済む

短期保有後に適切なタイミングで売却できれば、不動産運用のリスクを抱える期間も短くなります。
投資用不動産の保有には、様々なリスクがあるためです。

長く保有しているうちに、物件価値が下落してしまったり、自然災害に見舞われ入居者が住み続けられなくなったりする可能性は否めません。
短期保有は、不動産投資に興味があっても、長くリスクを抱えるのが不安というオーナー様におすすめの投資方法と言えるでしょう。

短期保有する際の注意点

売却利益に重きを置く短期保有戦略では、株式投資のように市場の変動に気を配ることが求められます。ゆっくり資産を形成していく長期保有とは異なり、常に不動産相場を確認し、適切な売却のタイミングに目を光らせることが重要です。

投資について勉強したり、変動する状況を追ったりすることが好きな方には向いていますが、放っておいても利益を増やしたいという方には不向きな戦略といえます。


ワンルームマンション投資の売却のタイミング

保有の期間を問わず、ワンルームマンション投資を成功に終わらせるか否かは、売却のタイミングが大きなカギを握ります。
インカムゲインを目的とする長期保有でも、売却価格と購入価格の差が開きすぎてしまっては、せっかく積み上げた利益でまかなえない可能性もあるためです。

また、不動産市場では、物件を高値で売買しやすい時期があります。不動産投資を行うのであれば、適切な売却のタイミングについて知っておいて損はありません。

投資用ワンルームマンションの売却に適したタイミングには、次のようなときが挙げられます。

・物件が空室のとき
・入居者の家賃が近隣相場よりも高いとき
・大規模修繕の前後
・住宅ローン金利が安いとき
・収支がマイナスに転じたとき

ワンルームマンション投資で売却に適したタイミングや売却のコツについて、詳細は下記のコラムに掲載しています。本記事と合わせて、ぜひチェックしてみてください。

『大阪の投資用マンション売却で押さえるべきポイント!不動産投資の売却手順やコツを解説』
『【売り時はいつ?】ワンルームマンション売却に適したタイミングとは?』


まとめ:長期保有か短期売却で悩んだ時は

ワンルームマンション投資では、保有期間の長期と短期のどちらにも戦略があります。
それぞれのメリットと注意点を把握し、ご自身に向いている戦略を考えてみてください。

[ワンルームマンション投資長期保有のメリット]
・インカムゲインの積み上げができる
・譲渡所得の税率が低い
・ローン完済後に高い利回りで運用できる

[ワンルームマンション投資短期保有のメリット]
・短期間に大きな収益を上げられる可能性がある
・リスクの不安を持ち越さずに済む

どちらかが正解というわけではなく、それぞれの戦略に応じた物件運用を続けていくことが重要です。
不動産価値は立地やタイミングによって流動的であるため、その都度状況に応じた判断が求められます。

初心者からスタートしたオーナー様には、持ち物件の状況に応じて的確なアドバイスをもらえるプロの不動産パートナーを見つけることがおすすめです。
不動産投資戦略に迷うときは、信頼できる第三者に相談してみましょう。

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