ワンルームマンション投資は一括購入orローン購入どちらにすべき?

コラム紹介

ワンルームマンション投資を始めるには、物件を現金で一括購入する方法と、金融機関からローンを組む方法の2通りがあります。どちらの方法にもメリットとデメリットがあり、一概にどちらにすべきとは言い切れません。
この記事では、ワンルームマンション投資を始めたいものの支払い方法に迷う方に向けて、一括購入とローン購入それぞれのメリットとデメリットを紹介します。判断に迷うときに考えるべきポイントも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

一括購入のメリットとデメリット

はじめに、運用する物件を現金で一括購入する場合のメリットとデメリットを紹介します。

メリット1:金利がかからない

現金一括で購入する最大のメリットは、物件のトータル費用を抑えられることです。金融機関のローンを組む場合は、融資金額に対して金利が発生します。不動産は、金額が大きく返済が長期に及ぶため、完済までにかかる金利の総額も決して小さくありません。

例えば、3000万円のローンでは
・返済期間:25年
・適用金利:2.0%
⇒支払い総額:3,814万円
という計算結果になります。
返済期間が25年ですと、金利は800万円以上になります。

ローン購入でワンルームマンション投資を成功させるためには、少なくとも金利以上の利益を積み立てる必要があります。

メリット2:手続きが早い

現金一括購入の場合、不動産購入の手続きが簡潔にできることもメリットです。金融機関でローンを組むときは、事前審査などいくつものステップがあり、購入の申し込みから引き渡しまで1ヶ月以上かかります。一括購入すれば時間短縮できますし、ローンの申し込みに必要な書類を準備する手間も省けます。

メリット3:物件価格の交渉ができる

現金一括で購入することを理由として、物件価格を値引きしてもらえるよう交渉できる場合があります。早期に売却したい売主にとっては、すぐに現金が得られ物件を引き渡しできるため、一括購入が喜ばれます。「この金額なら現金一括で支払いが可能」と伝えれば、条件を引き下げてもらえる可能性があります。もちろん、値段交渉が必ず通るとは限りませんが、購入資金の選択肢を広げられるでしょう。

デメリット1:手持ちの現金が減る

現金一括購入のデメリットは、手持ち資金を減らしてしまうことです。不動産運用では、突発的な出費の可能性に備え、手持ち現金に余裕を持たせておく必要があります。
空室が出た際の修繕費や新しい入居者募集に伴う広告宣伝費など、運用には、購入後もランニングコストがかかります。後からローンを組むことは難しいため、ランニングコストの余裕がない場合や、生活資産を圧迫させてしまう可能性がある場合は、ローンを検討することが賢明です。

デメリット2:物件の選択肢を狭めてしまう

現金での一括購入にこだわるあまり、予算の中で購入できる安い物件を選んで失敗してしまうケースがあります。相場よりも安価な物件には必ず理由があります。空室が出やすかったり、過去にトラブルが起きたりした物件は、収益が低くなってしまう可能性も。この物件なら現金で買えると焦らず、しっかり物件を見極めることが大切です。

デメリット3:投資資金の回収に時間がかかる

金額の大きな不動産投資では、現金を回収できるまでにも長い時間が必要です。
大きな金額が一気に出て行ってしまうのに対し、毎月の返済額で少しずつ回収するしかありません。

例えば、物件価格3000万円、家賃20万円の物件の場合、
3000万 ÷ 20万 = 150ヶ月
計算すると、12年以上かかることになります。
購入額以外にも必要経費があるため、実際にはこれ以上の期間が必要です。

一方、ローンの場合は、多額の現金が減ってしまうわけではないので、手持ち資金は変わらないままローン支払いと家賃収入の差額分を積み立てていく感覚になります。出て行ったマイナスを取り戻さなければと考えてしまうと、負担に感じるでしょう。

ローン購入のメリットとデメリット

金融機関からローンを組んで物件を購入する場合のメリットとデメリットを紹介します。

メリット1:レバレッジ効果が高い

ローンを利用したマンション投資の最大のメリットは、レバレッジ効果が高いことです。
レバレッジとは「てこ」を意味し、少額の支出で大きな収益を得ることを「レバレッジ効果」と呼びます。不動産投資は、自己資金を少なく設定し、金融機関の資本を活用できる意味で、レバレッジ効果の高い投資方法です。
レバレッジ効果のない投資方法では、現金を利用するしか選択肢がありません。そのため、レバレッジ効果を活かせる不動産投資はローンを利用し、得られた収益を別の投資に回すなど、使い分けしている投資家もいます。少ない資金で投資規模を拡大していきたい場合は、ローン活用が有効なのです。

メリット2:少ない自己資金でも始められる

ローンが利用できることは、ワンルームマンション投資の代表的なメリットのひとつです。ワンルームマンション投資は、これから不動産運用を始める初心者投資家に人気の投資方法です。

不動産物件の購入資金を貯めるには、何年もかかります。けれども、ローンを利用することで、自己資金が貯まるまで待つ必要がなく、早期から運用利益を積み立てていけます。
起動に乗って投資拡大したい場合でも、手持ち現金が減っていないので、また少ない資金で広げていくことが可能です。

メリット3:団体信用生命保険に加入できる

ローンを利用したマンション投資は、投資による家計へのリスクを小さくしたい方にもおすすめです。金融機関でローンを組むと、団体信用生命保険に加入できます。
団体信用生命保険とは、万が一の事故などで債務者が亡くなった場合、残された家族には返済義務がなくなる制度です。
所有物件は残るため、家族は家賃収入を継続して得るか、売却して物件代金を回収できます。保険のように不動産運用を行いたいと考えている方にとっては、最適な方法といえるでしょう。

デメリット1:空室リスクが高い

ローンを利用する場合のデメリットは、空室リスクに備える必要があることです。入居者がいない間は、家賃収入が得られませんが、ローンの月々の支払いが止まるわけではありません。
さらに、次の入居者がなかなか決まらなければ、リフォームなどを検討する場合があります。
その分の費用も、手持ちの自己資金から出費する必要があります。

デメリット2:ローン関連費用が必要になる

ローンを組む場合、現金で一括購入するよりも、支払い総額が大きくなります。金利以外にも、下記の費用がかかることを心得ておきましょう。

・事務手数料(相場:1~3万円)
・保証料(相場:借入額の2%程度)
・登録免許税(相場:10~20万円)
・司法書士への報酬(相場:10~20万円)
借り入れ先金融機関や司法書士事務所によって金額が異なりますが、数十万円以上の現金支出が必要です。一括購入では、この部分が不要になるので、不動産投資全体の利益を出しやすくなります。

デメリット3:他のローンを組みづらくなる

金融機関で大きな額のローンを組むと、住宅ローンなど他の融資を受けづらくなる可能性があります。なぜなら、借り入れできる額の上限が年収によって決まるためです。

一般的にローン返済に充てられるのは、年収の30%までと言われます。例えば、年収600万円の方なら180万円、月々15万円ほどです。
仮に、マンション投資のために毎月10万円返済されていれば、他のローンを組める額は毎月5万円までの計算になります。
物件担保額なども考慮して金融機関の審査がされますが、何もローンがない状態よりも、借り入れ可能額が小さくなる可能性が高まります。
住宅ローンなどの大きなローンを予定されている方は、慎重な検討をおすすめします。

一括購入とローン購入のどちらにすべきか迷ったら

不動産投資の物件購入で、現金一括とローンのどちらの方法にすべきか迷うときは、ご自身の状況がどちらに向いているかで判断しましょう。

■一括購入に向いている方
一括購入に向いているのは、潤沢な現金資産があり、預金として持っているのではなく投資に充てて運用したいという方です。
自己資金で余裕を持った不動産投資が可能であれば、レバレッジ効果を狙って借り入れする必要はありません。
安い物件を買い急ぐ必要もないので、収益が見込めそうな物件を都合の良いタイミングで購入できます。

■ローン購入に向いている方
サラリーマンなど安定した収入がある方には、ローンを利用した物件購入がおすすめです。
家族や進学世代のお子様がいるなど、自己資金を減らしてしまうとリスクの大きい方は、現金購入は不向きです。
少ない資金で投資運用するレバレッジ効果を狙い、ローン利用を活かしましょう。

まとめ~ワンルームマンション投資はプロに相談を~

メリットとデメリットをしっかり把握したうえで、購入方法を決める前に、不動産投資のプロの意見を聞くこともおすすめです。
なぜなら、物件の状況や購入後の運用方法を含め、経験値の高いプロに相談することが、最終的な投資成功へのカギになるからです。

例えば、一括購入する場合なら、「物件価格の交渉ができるか」「買うべきタイミングか」などは、不動産への高い知見がなければ判断が難しい課題です。
ローン支払いで購入するなら、最大のリスクである空室の可能性に備え、周辺の賃貸事情を事前に確認しておくべきでしょう。

さらに、物件購入の時点で信頼できる不動産運用のパートナーを見つけておくことで、その後の運用を安心して進められます。知識を味方につけ、ワンルームマンション投資を成功に導きましょう。

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