ワンルームマンション投資は相続対策になる?相続税の計算方法やリスクも

コラム紹介

「ワンルームマンションが相続対策になる」という話を耳にしたことはありませんか?一般的に不動産は、現金や預金、株券などに比べて相続税評価額が低く、節税対策になるといわれています。事実、相続対策のためにワンルームマンションを購入し、相続する方も増えているようです。

そこで今回は、ワンルームマンションを相続対策とするメリットや、相続税の仕組み、相続する際の注意点などを解説します。

不動産にかかる相続税の仕組み

不動産の相続税評価額は、土地の相続税評価額と建物の相続税評価額を合わせて計算します。ここではまず、ワンルームマンションの相続税評価額の算出方法について解説します。

土地

土地の相続税評価額は、主に路線価に基づいて算出します。路線価とは、毎年7〜8月頃に国税庁が公表する、「その地域における主要道路に面した1㎡あたりの土地の価格」のことです。賃貸物件における土地の相続税評価額は、以下の計算式で算出できます。

【路線価×(1-借地権割合30%~90%×借家権割合30%)×賃貸割合=土地の相続税評価額】

ここから、小規模宅地等の特例が適用されるとさらに50%下がります。ただし、小規模宅地等の特例を適用するには条件があるため、専門家に相談することが必要です。

建物

建物の相続税評価額は、固定資産税評価額が関係しています。固定資産税評価額とは、各自治体の担当者が個別に決定する評価額のことです。評価額は、家の規模や築年数、構造、設備の品質などによって決められるため、広さや構造が同じマンションでもそれぞれに金額が異なります。

なお、建物の相続税評価額は、土地と同じように第三者に貸すと30%下がる仕組みです。建物の相続税評価額は、以下の式で算出できます。

【固定資産税評価額×(1-借家権割合30%)×賃貸割合=建物の相続税評価額】

なお、マンション購入前にその物件の固定資産税評価額を知りたい場合は、モデルルームの担当者や不動産仲介会社に問い合わせるとよいでしょう。大体の目安をわかる範囲で教えてもらえます。

ワンルームマンションで相続対策する3つのメリット

ワンルームマンションを相続対策とするメリットは、大きく分けて3つあります。以下で詳しく解説します。

メリット1:ワンルームマンションは相続税が安くなる

ワンルームマンションが相続対策に有効だといわれる理由は、現金に比べて課税対象評価額が低く、相続税が安くなるからです。現金をはじめ、株券や預金を相続する場合の税評価額は額面通りですが、マンションの税評価額は建物の約50%、土地は公示価格の約80%になります。

また、そのワンルームマンションを第三者に貸している場合は、評価額からさらに30%の控除が受けられる仕組みです。そのうえ、マンションの中でも200平米以下のワンルームマンションなら、「小規模宅地等の特例」が適用されます。小規模宅地等の特例とは、200平米以下の不動産に対し適用されるもので、評価額が50%つまり半分になる制度です。

これらを総合するとワンルームマンションの相続税評価額は、額面通りの現金と比較して30%ほどになるため、かなり節税できることがわかります。

メリット2:ワンルームマンションはさまざまな活用法がある

投資用物件として注目されているワンルームマンションは、市場でも活発に取引されているため、売りたくなったら売れるというメリットがあります。特に、人気エリアだったり駅近だったりするワンルームマンションは売れやすいでしょう。

また、ワンルームマンションに関する情報も多く出回っているため、市場価格がわかりやすいメリットもあります。ワンルームマンションは相続した人が住むも良し、賃貸にしても良し、売っても良しの3拍子が揃っているので、相続した人がそれぞれの事情に合わせて活用しやすいこともポイントです。

メリット3:ワンルームマンションは家賃収入を得られる

ワンルームマンションを相続すると、家賃収入を得られるメリットがあります。たとえば、現金や預金を相続した場合は、当然手元に残るのは現金のみです。一方、ワンルームマンションを相続した場合は、その後、マンション経営を行うことができます。ワンルームマンションの賃貸ニーズは高いため、長きに渡り家賃収入を得られるでしょう。ただし、安定した家賃収入が得られるかどうかは物件にもよるため、注意が必要です。

ワンルームマンションの相続にはリスクも!?

ワンルームマンションの相続は、比較的リスクが少ないといわれています。しかし、全くリスクがないというわけではありません。たとえば、空室が発生すると賃貸経営の採算が合わなくなります。さらに、物件によっては売りたくても売れなかったり、解体したくても解体費用が払えなかったりするケースも少なくありません。

そのため、なかなか売れないワンルームマンションや、空室が多く採算が合わないワンルームマンションの場合は、相続すべきか否かをよく検討することが重要です。また、ワンルームマンションを相続した方が自分で住む場合は、管理費や修繕積立金がかかります。

節税になるとはいえ、コストばかりがかさむワンルームマンションの相続は、おすすめできません。そのようなマンションを相続しても、相続人の方から相続放棄される可能性もあります。

ワンルームマンション投資について専門家に相談しよう

ワンルームマンション投資は、相続対策にも有効です。しかし、購入するワンルームマンションによっては、損をするリスクも大いにあります。そのため、相続対策でワンルームマンション投資を始める際は、専門家に相談することが大切です。

メリットだけでなく、デメリットや注意点をしっかり把握したうえで始めれば、失敗のリスクを軽減できるでしょう。

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