ワンルームマンション投資を始めようと思っても、何から始めたら良いのかわからないという方もいるのではないでしょうか。特に、自己資金をいくら用意したら始められるのか悩んでいる方は少なくありません。そこで今回は、ワンルームマンション投資の自己資金について解説します。
自己資金とは、預金通帳で確認できる現金、つまり自分で用意できるお金のことです。預貯金や退職金、資産を売却したお金などが挙げられます。
ただしなかには、自己資金として認められない現金もあるため注意が必要です。たとえば、人から借りたお金やタンス預金などは認められません。また、物件を購入する直前に入金された金額の大きいお金は、「見せ金」として扱われるおそれがあります。
振込人名義が不明確なお金や、タンス預金を一気に預金通帳に振り込んだ場合も自己資金として認められない可能性が高いため注意しましょう。
自己資金は、マンション価格における15~30%が目安です。まず、不動産投資ローンを利用する場合は、頭金が必要となります。マンション購入時の頭金は、物件価格の10~20%程度が一般的です。
さらに、不動産会社への仲介手数料や印紙税、司法書士への報酬といった諸経費も自己資金から支払わなくてはなりません。マンション購入時に必要となる諸経費は、新築マンションだと物件価格の4~7%、中古マンションだと物件価格の7~10%だといわれています。
たとえば、3,000万円の新築マンションなら120~210万円、3,000万円の中古マンションなら210~300万円くらいが諸経費の目安です。なお、新築マンションよりも中古マンションの諸経費の方が高い理由は、中古物件は購入時に不動産会社に支払う仲介手数料が必要だからです。
物件購入時の自己資金は、およそ15~30%が目安です。ただし、詳細な金額については購入する物件の価格によっても異なります。この段落では、自己資金の金額目安を購入マンションの価格別に解説します。
5,000万円の新築マンションを購入する場合の自己資金は、700~1,350万円が目安となります。具体的な内訳は、頭金500~1,000万円、諸経費200~350万円です。
5,000万円の中古マンションを購入するときの自己資金の目安は、850~1,500万円です。具体的な内訳は、頭金500~1,000万円、諸経費350~500万円です。
マンションを購入する際には、購入したい物件を先に選び必要な自己資金を用意する方法と、用意できる自己資金の金額から物件を選ぶ方法があります。ここからは、自分の自己資金だといくらの物件が購入できるのか、金額別に見ていきましょう。
購入可能物件の価格は、【自己資金÷自己資金の割合×10=購入可能マンションの価格】で計算可能です。仮に、自己資金の割合を2割として計算すると、以下のような金額になります。(諸費用・金利などは省く)
自己資金 | 購入できるマンション |
100万円 | 500万円のマンション |
300万円 | 1,500万円のマンション |
500万円 | 2,500万円のマンション |
1,000万円 | 5,000万円のマンション |
2,000万円 | 1億円のマンション |
ただし、ローンの融資額については個人差があるため、詳しい金額については不動産会社や金融機関に相談することをおすすめします。
自己資金はないけど、マンション投資を始めたいという方もいるでしょう。実際に、自己資金ゼロで不動産投資を始めることが可能なケースもあります。しかし、自己資金ゼロで不動産投資を始めることには、リスクがあるため注意が必要です。ここからは、自己資金ゼロで不動産投資を始めるデメリットを解説します。
自己資金ゼロでワンルームマンション投資を始めるデメリット、1つ目は、ローン審査が通りづらくなることです。
不動産投資の融資限度額は、年収の約8倍程度が一般的な金額だといわれています。たとえば、年収500万円の方の融資の目安は、約4,000万円までです。そのため机上プランでは、年収500万円の方なら頭金がなくても4,000万円までのマンションなら購入することができます。
しかし実際は、頭金がないことによって、ローン審査で「資金の準備が計画的にできない人」と判断される可能性も否定できません。その結果、信用度が下がりローン審査が通らないケースもあります。金融機関からの信頼を得るためにも、ある程度の頭金は必要です。
自己資金ゼロでワンルームマンション投資を始めるデメリット、2つ目は、ワンルームマンション投資が赤字になるおそれがあることです。頭金ゼロでマンションを購入すると、月々のローン返済額が増えます。
マンション経営は、空室リスクや物件の維持などの必要経費がかかるため、収入よりも住宅ローンの返済額の方が高くなるケースも珍しくありません。結果的に、赤字になり収益を得られないおそれがあります。
自己資金ゼロでワンルームマンション投資を始めるデメリット、3つ目は、この先の投資プランに影響を及ぼす可能性があることです。ワンルームマンション投資は、マンションの家賃収入で新しい投資用マンションを購入したり、収益が見込めないマンションを売却したりと、長期的な投資計画を立てながら行います。
しかし、自己資金を用意せずマンションを購入すると、売却価格よりもローン残債の方が高くなるケースも多いです。その結果、売りたくても売れないといった状況に陥る可能性もあります。
自己資金が足りない方がワンルームマンション投資を始めたい場合は、まず、不動産のプロに相談しましょう。不動産のプロなら、自己資金が少なくても希望するマンションを購入できたり、不動産投資ローンの融資を受けやすくなったりする方法を提案できるかもしれません。ワンルームマンション投資の自己資金について、少しでも心配なことがある方は、ぜひ、ご相談ください。