投資用ワンルームの売却理由「将来の不安」が44%に。金利が1%上がると収支はどう変わるのか、大阪の平均物件で試算

コラム紹介
投資用ワンルームの売却理由「将来の不安」が44%に|金利が1%上がると収支はどう変わる?【大阪の平均物件で試算】 | ReTrue

「このまま持ち続けて大丈夫だろうか」。投資用ワンルームマンションの売却相談で、いま最も多い理由は「将来の不安」です。ReTrueに寄せられた売却相談を分析したところ、2026年は「将来の不安」が44%を占め、2024〜2025年の31%から13ポイント増加しました。本記事では調査結果とあわせて、大阪府の平均的なワンルームで金利が上がると収支がどう変わるのかを、自社試算でご紹介します。

投資用ワンルームマンションを所有していて、こんな不安を感じていませんか。

こんなお悩みはありませんか?
  • 金利がさらに上がったら、収支はどうなるのか心配
  • 修繕積立金や管理費が上がったらどうなるのか分からない
  • このまま10年保有して大丈夫なのか判断できない

こうした「これからの収支」への不安は、決してあなただけが抱えているものではありません。同じ理由で売却を検討するオーナーは、この1〜2年で大きく増えています。

売却理由「将来の不安」が31%から44%に増加

投資用ワンルームマンション売却サービス「ReTrue(リトゥルー)」に寄せられた売却相談を分析したところ、「将来の不安」を理由とする相談の割合が大きく伸びていました。

売却理由「将来の不安」の割合(自社調べ)
2024〜2025年31%
2026年44%

売却理由の内訳を前年と比べると、次のようになります。

ReTrue 売却相談者の売却理由(自社調べ)
売却理由2024〜2025年2026年増減
将来の不安31%44%+13pt
収支悪化・損切り23%22%▲1pt
利益確定16%12%▲4pt
住宅ローンが組めない14%13%▲1pt
物件の入れ替え9%3%▲6pt
相続5%4%▲1pt
その他2%2%±0pt

2026年の売却理由は、1位「将来の不安」44%、2位「収支悪化・損切り」22%、3位「住宅ローンが組めない」13%、4位「利益確定」12%という結果でした。金利上昇によるローン返済負担への懸念に加え、物価・人件費・修繕費・管理コストなどの上昇が、長期保有への不安につながっていると当社ではみています。

なぜ「保有し続けること」への不安が広がっているのか

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後、政策金利の引き上げを進めています。2026年9月18日には政策金利を1.25%程度へ引き上げました。また総務省統計局によると、2026年8月の全国消費者物価指数は総合で前年同月比1.9%上昇しています。投資用マンションの将来収支には、次の3つが重なって影響する可能性があります。

① 金利上昇によるローン返済負担の増加

変動金利でローンを組んでいる場合、金利の引き上げに応じて毎月の返済額が増えていきます。

② 維持・管理コストの上昇

物価や人件費の上昇によって、管理費・修繕積立金などの維持・管理コストが増加する可能性があります。

③ 賃料は同じ割合で上がるとは限らない

物価が上昇しても、賃料が同じ割合で上昇するとは限りません。支出が増える一方で収入が追いつかなければ、収支は悪化していきます。

「金利上昇」+「維持・管理コスト上昇」+「賃料上昇の難しさ」。この3つが重なることが、投資家の将来収支に影響する可能性があります。

【自社試算】金利が上がると、大阪の平均的なワンルームの収支はどう変わるか

「将来の不安」を具体的な数字で確認するため、当社が2026年4月に公表した「全国785件取扱実績レポート」における大阪府の平均条件(平均価格1,714万円、平均賃料71,537円/月、利回り中央値4.32%)をもとに、金利上昇時の年間キャッシュフローを試算しました。

試算条件
  • 物件価格 1,714万円(大阪府平均)、借入 1,714万円・35年・元利均等返済
  • 賃料 71,537円/月(大阪府平均)
  • 管理費・修繕積立金 9,000円/月、賃貸管理委託料 3,500円/月
  • 空室・原状回復費、固定資産税、賃料下落は考慮せず

金利別の年間キャッシュフロー

借入金利月々の返済額年間CF10年間の累計
1.8%(現状)約55,000円+約4.8万円+約48万円
2.3%(+0.5%)約59,500円▲約0.5万円▲約5万円
2.8%(+1.0%)約64,100円▲約6.0万円▲約60万円
3.3%(+1.5%)約68,900円▲約11.8万円▲約118万円

金利が1.0%上昇すると、年間の収支は約11万円悪化する計算です。現状の1.8%水準ではわずかにプラスでも、2.3%を超えるとマイナスに転じます。

さらに修繕積立金が月5,000円上がった場合

借入金利年間CF10年間の累計
1.8%▲約1.2万円▲約12万円
2.8%▲約12.0万円▲約120万円
3.3%▲約17.8万円▲約178万円
11万円
金利+1.0%で
年間収支が悪化
2.3%
収支がマイナスに
転じる金利水準
178万円
金利+1.5%と修繕積立金増で
10年間の持ち出し

金利1.5%上昇と修繕積立金の増額が重なると、10年間の持ち出しは約180万円に達します。大阪府は6都市の中でも利回りの分布幅が最も小さく、「利回りで逃げる余地が小さい」市場特性があり、金利や管理コストの変化がそのまま収支の変化に直結しやすい点も特徴です。

※本試算は残債全額に新金利が適用される前提の簡易試算です。実際の返済額は金融機関の条件(見直し時期、返済額の上限ルールの有無等)や残債・残期間によって異なります。

「利益確定」から「将来の不安」へ

今回の調査で特徴的なのは、「利益確定」が16%から12%へ低下する一方、「将来の不安」が31%から44%へ大きく上昇したことです。当社に寄せられる相談でも、単に「利益が出たから売却する」のではなく、将来のキャッシュフローを懸念する声が増えています。

「金利がさらに上がったら収支はどうなるのか」
「修繕積立金や管理費が上がったらどうなるのか」
「このまま10年保有して大丈夫なのか」

これからの投資用マンションでは、購入時の表面利回りだけでなく、金利・賃料・管理費・修繕費などが変化した場合の「長期的な手残り収支」を確認することが、これまで以上に重要になると当社は考えています。

代表コメント

今回の調査で、『将来の不安』を理由とする売却相談が31%から44%へ増加したことは、投資用マンションを取り巻く環境の変化を象徴していると感じています。金利が上昇し、物価や維持管理コストも変化する中で、投資家の方々が『今の収支』だけではなく、『これからの収支』を意識するようになっています。

当社としては、売却を推奨するのではなく、保有・売却それぞれの選択肢を検討するために、将来の収支を具体的に把握することが重要だと考えています。今後もReTrueへの売却相談を継続的に分析し、投資用不動産市場の変化を発信してまいります。

株式会社SOZO 代表取締役 畠野康平

よくある質問

Q. 投資用ワンルームの売却理由で最も多いのは何ですか?

ReTrueに寄せられた2026年の売却相談では、「将来の不安」が44%で最多でした。2024〜2025年の31%から13ポイント増えています。

Q. 金利が1%上がると、ワンルームの収支はどのくらい変わりますか?

大阪府の平均的な条件(物件価格1,714万円・全額借入35年)で試算すると、金利1.8%から2.8%への上昇で年間キャッシュフローは約11万円悪化します。実際の影響は金融機関の条件や残債・残期間によって異なります。

Q. 保有を続けるか売却するか、どう判断すればいいですか?

表面利回りだけでなく、金利・賃料・管理費・修繕費が変化した場合の長期的な手残り収支を確認することが大切です。ReTrueでは「保有を続けた場合」と「売却した場合」の将来収支シミュレーションをご提供しています。

調査概要

調査対象ReTrueにお問い合わせいただいた投資用ワンルームマンション所有者
調査期間2024〜2025年、2026年
調査方法売却相談時の売却理由を当社独自基準で分類・集計
調査主体株式会社SOZO ReTrue
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※本調査は当社に寄せられた売却相談を対象とした自社調査であり、日本国内の投資用マンション所有者全体を対象とした調査ではありません。そのため、市場全体の傾向を直接示すものではありません。

※大阪府の平均価格・平均賃料は、株式会社SOZO「2026年4月版 全国取扱実績レポート」(有効件数785件、2026年4月時点)によります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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